ナビアンでは、停滞感が高まっている携帯電話市場にあって高付加価値・高成長製品として注目が高まっているスマートフォンの主要製品を分解し、回路構成や主要部品・モジュールの採用状況をまとめたレポート「Smart Phone Teardown Report 2008」を発刊した。
対象とした端末は、①Apple iPhone 3G ②HTC Touch Diamond ③RIM Blackberry Bold 9000 ④SAMSUNG OMNIA i900 ⑤NOKIA E66の5機種である。5機種ともWCDMA(UMTS)HSDPAに対応する他、WiFi・GPS・BluetoothといったNon Cellular系のインターフェースを備える。
携帯電話としての基本プラットフォームは、Apple iPhone 3GがInfineon Technologies、HTC Touch DiamondとSAMSNG OMNIAの2製品がQualcomm、Blackberry BoldがMarvell Technologyを採用、NOKIAのみが自社開発となっている。
これら5機種における部品・モジュールの一機種あたりの平均搭載数は779個で、その平均占有面積は2,612mm2である。ナビアンが2006年に調査したUMTS/GSM端末4機種※の部品・モジュールの平均搭載数541.8個と比較するとスマートフォンにおける部品需要のインパクトは相当大きいと言える。(※UMTS Breakdown Report 2006 :2006年11月1日発刊:MOTOROLA V3x・NOKIA N80・SAMSUNG Z540・SEMCK 610iの4機種を対象とした)
一方、部品専有面積は2006年調査の端末の平均2,630mm2に対して、今回の調査では2,612mm2とほぼ同等となった。これは、LSIの微細化やPOP(Package on Package)などのModule化による小型化に加えて、LCR部品の0603のウエイトが2006年の33.6%から44.9%の大きく上昇したことが要因となっている。部品一個当たりの平均面積は、2006年調査の4.9mm2から3.4mm2と大きく減少した。
端末別では、NOKIA E66の部品搭載数が407個と他の端末に比較して極端に少ない。部品占有面積も2,067mm2と5機種中で最も小さい。ただ、0603サイズ品採用は一切無く、LSIの集積化やモジュール化による部品点数の削減が、NOKIA端末小型化の最大要因となっている。「ベースバンドICなどの主要LSI周辺の部品点数が極端に少ない。これは専用LSIの採用とこれに対応した回路設計の最適化によって実現されるもの。この辺りは、他の端末メーカーでは真似ができないところだ。」(大手部品メーカー)という。
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