米国ハワイ州ホノルルで開催されているIMS2007の初日の6月5日、SiGe Semiconductor(USA)及びAvago Technologies(USA)の社2が、無線LAN用のフロント エンドモジュールの発表を行った。
IMS2007に先立って行われた6月3日のワークショップでも、EPCOS(GERMAN )やAntenova(USA)等が、無線LAN用フロントエンドモジュール関連の発表を行っており、モジュールメーカー及び半導体メーカー各社の参入意欲の高さがうかがえる。
無線LAN用FEMの変遷(Avagoの発表より)
こうした無線LAN用フロントエンドモジュールに取り組む企業の増加は、無線LAN市場の拡大に加えて、11bg→11abg→11abgnと進行する無線LANのフロントエンドの複雑化が背景にある。
Intel Centrinoでは、11abgのGolanモジュールに続いて、2007年に発売となった11n対応のKedronモジュールでもフロントエンドモジュールを採用、競合するAtherosやBroadcomといった無線LANチップセットメーカーも、フロントエンドモジュールをリファレンスデザインに採用する。
無線LANにおけるフロントエンドモジュールは、携帯電話同様に標準部品となりつつあり、今後予想されるWiMAXとの複合化なども含め、市場拡大への期待は高い。
現在、無線LAN向けフロントエンドモジュールを量産するのは、村田製作所・TDK・EPCOS・日立金属といったLTCC技術をベースとするモジュールメーカーが大半を占める。
一方、今回発表した2社は半導体メーカーであり、携帯電話向けフロントエンドモジュール同様に、LTCCメーカーと半導体メーカーの競合激化が予想される。
SiGe Semiconductorは、同社が得意とするSiGeプロセスをを2.5GHz用パワーアンプに採用(5GHz用パワーアンプにはGaAs)、ダイプレクサにはIPDを採用した。
Band Pass FilterやBalunは含んでおらず、モジュールサイズは7mmx8mmx1.1mmである。
SeGe Semiconductorのフロントエンドモジュール
一方、Avagoは、スイッチ・LNA・PAを同社のeP-HEMTプロセスにるシングルチップ化とダイプレクサやBalun等を集積化したLTCC基板を採用することで、より高い集積度と小型化を実現した。
モジュールのサイズは、4mmx6mmと極めて小さい。
Avagoのフロントエンドモジュール