□NCWの総搭載台数は、2007年の13億3,110万台から2011年には37億3,870万台へ
ナビアンでは、携帯電話の通信方式以外の主な無線通信規格(Non Cellular Wireless:略称NCW)の普及状況や将来展望、これらに採用される主な高周波部品・モジュールの動向等をまとめた調査レポート「RF Devices / Modules For Non Cellular Wireless 2007」を発行した。
本レポートで対象とした通信規格は、Bluetooth・無線LAN・GPS・モバイルデジタルTV(1seg/DVB-H/T-DMB等)・Mobile WiMAX・UWBの6つの無線通信方式。
また、高周波部品・モジュールの対象製品は、チップセット・モジュール(FEM・RF Module・Full Module)・チップアンテナ・フィルタ(BPF・LPF・Notch)・リファレンス用水晶部品(振動 子・発信器)である。
NCWの総搭載台数は、2007年で前年比150.4%の13億3,110万台の見込みで、2011年には37億3,870万台に拡大すると予測した。(複数のNCWを搭載する機器では、NCW毎に台数をカウントしている)
2007年におけるNCW別の搭載機器の生産台数は、Bluetooth 8億970万台・無線LAN 3億300万台・GPS 1億8,070万台・Mobile TV 3,610万台・Mobile WiMAX 120万台・UWB 40万台の見込み。(何れもナビアン推定)
Bluetoothは、携帯帯電話における搭載率が48.9%と他のNCWに比較して群を抜いて高くなっている。
一方、Bluetoothに次ぐ規模となっている無線LANは、Notebook PCで95.5%と高い搭載率となっており、携帯電話における搭載率は3.6%にとどまる。
携帯電話における搭載率の違いが、Bluetoothと無線LANの普及規模の差となっている。
言い換えれば、「携帯電話での搭載率は60%程度が上限だろう。」(大手Bluetooth Moduleメーカー)とされるBluetoothに対して、無線LANの成長余地は高いと言える。
GPSは、携帯電話への搭載本格化に加え、PND(Personal Navigation Device)の急成長を背景に、今後も搭載機器の生産台数は急テンポで拡大する。
Mobile TVは、DVB-HやT-DMBといった海外規格の普及に不透明感があるものの、日本ではワンセグの携帯電話への標準搭載化が進む。
Mobile WiMAXは、2008年前半のSprint Nextelによるサービス開始に伴って、複数のメーカーが対応携帯電話の製品化を予定、同時期にNotebook PC向けでIntelのMobile WiMAX対応Centrinoが発売される見込みとなっている。
UWBは、Bluetooth3.0での採用が最大の普及機会となるが、ハイバンド側(6GHz以上)に対応した廉価なチップセットの開発の可能性、ヘッドセット関連に需要の大半を依存するBluetoothにおける高スループット化ニーズなどを考慮すると、普及は限定的となりそうだ。
2011年におけるNCW別の搭載機器の生産台数は、Bluetooth 17億4,380万台・無線LAN 9億1,150万台・GPS 7億5,070万台・Mobile TV 2億1,250万台・Mobile WiMAX 1億600万台・UWB 1,420万台と予測した。
2007年から2011年にかけての年平均伸び率は、Bluetooth 21.1%・無線LAN 31.7%・GPS 42.8%・Mobile TV 55.8%・Mobile WiMAX 206.6%・UWB 144.1%となる。